薬の件はこれだけで これからの己れは どこでどういう治療を受けることになるのかについてF先生の説明をを受けたはずなのだが この時の己れは まな板の上の鯉の感覚 だったのだろう その内容は全く記憶に残っていない
まずは己れ専用の他の部屋から隔離された 己れ1人の寝室を確保するため 夫婦の小さな寝室からは追い出されることになる 我が家では一番広い部屋 リビング の床にのびのびとそこにあるソファーのマットを敷き並べて 我が家の主(あるじ)の寝床をしつらえることになった
こんな時にこそ階段室が縦の廊下の役割を果たす 我が家 なのだ きちんと他の部屋から隔離された快適なこの家の主(あるじ)の寝室になるのだ こんなことも出来るのだと ささやかな 満足感 にひたるはずなのだがとにかく早く横になりたいとの思いであったことだけが記憶に残っている
この後己れの住む区の保健所から今後のこの病気の具体的な治療方針について説明の電話連絡を待つことになる 少し安心した心地でうつらうつらしていたことが記憶に残っている
夕方も遅くなった頃 保健所からの待ちに待った電話がやっと来た
F先生から規則で定められた報告が有り 己れの今回の感染に係る治療等の窓口になりました とBさんの自己紹介があった そしてこの新型ウイルス感染症の己れへの治療の場所 病院治療か在宅治療かの患者の希望 その具体的な場所を問われる この件で現状の東京都区部の医療環境キャパシティーからひっ迫している現況の説明があり必ずしも患者の希望通りになるのとは限らない旨の説明を受ける
ここでこの件に無知であった己れは己れの希望について大きな間違いの返答をしてしまうのだ
―つづく―
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