何もかも初めての体験
　たかが流感みたいなものと呑気にかまえていた己れにとっては2022年７月早々に新型コロナウイルスに感染したことでいろいろ生まれて初めてのことを体験することになった
　
　まさか己れがこの新型コロナウイルスに感染するとは思ってもいなかったので記憶の定かなうちに記しておこうと思う

　夜半に４０度の高熱になっている己れに気付くところから始まる　朝になるのを待っていつも一家でお世話になっているF内科クリニックに電話する　すぐ来るようにとのこと　ふらつくので妻に支えてもらいながら我が家から徒歩3～4分の普段の入口とは別の指定された入口には　ウイルス感染防護服の物々しい姿のF先生と看護師さんが待ちかまえていた

　こんな形で迎えられるとは想像もしていなかったので　たかがインフルエンザみたいなものだろうと思っていた己れは　これは大変なことなのかもしれない　と　この時初めて不安になる

　シャワーブースのような小さなところで　己れの喉に差し入れたスプーンみたいなものを見せてF先生は　陽性　だね と宣言する　要するに新型コロナに感染しているということなのだ

　F先生からのコロナ感染症の説明はその治療薬についてであった　最後にはその説明を受けた内容の印刷物に署名までさせられた

　まだ試験的に開発されたばかりの薬（後日服用することになって　非常に飲みにくい　美味しくない　棒状の薬とわかる）を　飲む　のはいつも普通の薬を飲むのにも苦労する己れにとっては　飲まなければいけない薬だとすれば　これから己れの身はいったいどうなるのだろう　と　こんな病気にかかってしまったのかという恐ろしい想いがむくむくと湧き上がってくる　　　　　―つづく―


住宅設計事務所木村俊介建築設計事務所のホームページをご覧下さい