この 垂直廊下+吹抜け の間取りプランには もう一つの 隠された 優れた効能-----住宅 人間の巣 に不可欠の
換気効能------があるのだ
その優れた効能とは この垂直空間の煙突効果である
煙突効果とは 煙突内に上昇気流が生じる現象のことである
人間が住む部屋―人間の巣―は 人間自身とその生活から出る 熱 で わずかではあるが室温が上がる
その空気は この垂直廊下の吹抜け空間に入り かすかな上昇気流となって上昇し 頂部の排気口から外に出る
あたりまえのことだが この自然換気となる空気が流れるためには 垂直廊下のまわりの 房 となっている部屋には 外気の入ってくる 吸気口 を設けなければならない
部屋と垂直廊下との間に 扉 があれば その扉に空気が通るガラリ あるいは扉のアンダーカット も必要となる
さらに これらの 吸気口 換気口 を開閉型とすることで空気の流量の調整を可能とすることも忘れてはならない

この皮膚に感じられないほどのかすかな上昇気流の存在は 目で見ることが出来るのだ
トイレットペーパーを吹抜け頂部の排気口にかざすと ロールペーパーが外気に向かってなびくことで 空気の流れが目に見えてくるのである

この方法を 己れの住宅設計監理で室内換気チェックにも応用しているのだ
写真の排気口は 紺屋の白袴 化粧グリルなどつけていないが 外部には深いフードがあり雨の吹き込む心配は無い
外壁を覆う つた がこの排気口から内部へ侵入してくる気配であるが 生命力の強さを感じ そのままにしておくつもりである
垂直廊下間取り設計の原点である己れの住まい 建築家の住む小さな都市型住宅とはどんなものなのか
次回―その3で 垂直廊下のさらなる効能 住宅の地下室の換気と垂直廊下 をご覧いただきます
住宅設計―鳥はその生き方にふさわしい巣をつくる 人間は? 住宅は人間の巣である
住宅設計――垂直廊下+吹抜け=優れものの住宅間取りプラン その1 垂直廊下のまわりの 房 ともいえる大少の部屋
住宅設計 暖炉の話 その3 住宅の暖炉設計とヨットの設計に不可欠なもの の共通点とは? かすかな上昇気流に断熱設計が必要なわけ
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