住宅建築家の７日間　第７日目金曜日


　己れの事務所にも　建築会社　建材会社などの営業来訪は多い

　己れは　可能な限りこれらの方達を招き入れて話を聞くことにしている
　
来訪者の職能分野の最新情報を　己れは座っているだけで得られるからなのである

　来訪者が建築会社であれば　建設物価　建築資材の需給　建築現場技能者の需給　人件費などの動向　等々

　消費税率増を控えて　これらに関する一番身近な新しい情報は　期間が長くなる住宅設計監理上　常に把握しておきたい事項なのだ


　この日はS警備保障会社の来訪があった

　時代の流れか　己れの事務所が手掛ける住宅設計にも警備保障会社による警備機器設置などの防犯対策を講じる住宅は多い

　そして　警備保障会社の警備機器設置は　いまや住宅設計における重要項目のひとつになっているのである
　


　犯罪者の住宅侵入手口の最新情報を知り　それらを住宅の防犯設計に反映させたい　と願い　いろいろとS警備保障会社のM氏を質問攻めにする




　住宅侵入手口の最新情報　

　近年は　日本人による住宅侵入犯罪の場合に単独犯が圧倒的に多いのに比べて　来日外国人による住宅侵入犯罪の場合は　下見役　侵入実行役などと複数人による役割分担で短時間に住宅侵入　金品を盗む　という手口がほとんどである　ということが検挙件数などからうかがえる

　侵入者は　侵入先の事前調査　下見　を入念にする　又　夜分　こじ開け用ドライバー　バール　ハンマーなどを持参していて職務質問等を受けた場合のリスクに備えてか　そのようなものは侵入計画先の植え込み等に事前に投げ入れておき　その後　手ぶらで来て　侵入時に使用する
　もし投げ入れてあった場所にそれが無ければ警戒して侵入を見合わせる

　などなど

　ドライバー　バールなどではなく小さなバーナーでガラスの小面積をあぶり水をかければその部分がすぐ割れるとのこと
　水の入ったペットボトルや小さなバーナーなどが落ちていたら侵入を警戒しなければならないようだ

　夜仕事から帰った時自宅まわりをぐるりと一まわりチェックすると良いでしょう　とのM氏の発言もあったが　つかれて帰ってきた身に　毎日のこのチェックの実行は難しいだろうな　と己れは思う

　近所との付き合いを密にし　近所ぐるみで近隣領域―テリトリー　感をつくり　怪しい人　知らない人がそのテリトリーに入るのにためらいを感じるようにすることが重要です　とのM氏の発言もあった　

　これには己れも大いに同感であった





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