住宅建築家の7日間 第6日目 木曜日

 己れの住宅設計事務所からは これまでに10数人が巣立っていった

 彼ら 彼女らの多くが 住宅設計事務所の 主ーあるじー となって 住宅設計に励んでいる

 その1人である E君 を この日 己れの設計事務所での昼食に招待する
 


 E君は パソコンオタク という側面を持つ建築家である

 
己れの設計事務所の PCによるCAD設計環境 について 現況をより良くするためにはどんな手段があるか

 さらには 近い将来に向けた 新しいPCのCAD環境 について 検討したい

 などなど E君を中心に 己れとそしてスタッフで ブレーンストーミング をしようと この日のE君を囲んでの昼食会をもくろんだのだ



 澄んだ冬の青空に浮かぶ白い雲を眺めながら 己れの自宅の食堂で活発な議論が続く

  
 己れは 次世代の CAD に代わる住宅設計の手段の一つとして BIM(ビム) を積極的に取り入れることを考えている

 BIM とは 実際の建築物を敷地上につくるように PC上の3次元モデル で 住宅 を設計し構築してゆく手法である

 そのモデルは 設計された実際の住宅の姿 そしてインテリア空間を表現するのはもちろん そのモデルを構成する各部材の仕様 価格などの属性情報まで持つのである


 BIM の手法は数年前から 大規模な建築物の設計 そして 特に施工に使われるようになってきている


 建築物は 仕上部材 設備配管などが構造と一体となって設計され施工されてゆくものである
 大規模な建築物では 特にこれらが 複雑 に組み合わされてそれぞれの専門職の手によって 設計 そして 施工 される

 これらを BIM の手法で統括しようとするものなのだ



 住宅のような規模の小さい建築物の場合にも この手法を使えば 住宅建築家は 建築技術面で より合理的で正確な工事予算計画を含む 住宅設計 をおこなうことが出来るだろう

 そして そのわかりやすい表現が 施工者の正確な工事費算出 合理的な工程計画 間違いのない施工方法などを期待出来ることになる

 現在でも己れの住宅設計では 設計段階で1/50スケールの模型を製作し それにつけたしたり取り去ったり手を加えながら設計を深めてゆく まさに建築家手作りの 原始的な BIM の手法 を 日頃実践しているのである

 これらのことをPC画面上でおこなうことが出来るので 住宅設計シュミレーションも手作り模型を使う場合を比べれば その合理性には雲泥の差が生じるだろう
名1

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名1のコピー

属性情報  
 

                                     




                     

 R0011278
  

B I M



 PCソフトの費用 そのBIM操作技術の習得 などなど これから越えなければならない坂道は真っ直ぐどこまでも続いていて 己れにはやっとその坂を上り切るかに見えた時にも その先にはまた同じように続くさらなる坂道が続いているのが見えてくるのだろう

 それでも見果てぬ夢を追い求めて真っ直ぐな大きな道をゆくのは楽しいものだ




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 BIMが設計するわけではない
 建築家である己れがBIM上のモデルが持つ属性+情報を認識して 住宅設計 をするのである


住宅設計―品格 風格 単純 平凡 誠実 謙虚 そして 純粋
己れが越えてゆかなければならないいくつもの坂がある




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