夏の初めに完成した リフォーム住宅 Fさんの家 のリニューアルした暖炉の火入式をFさん夫妻と己れの3人でおこなう
11月頃になったら 秋の夜長に音響効果抜群であろう変形の オーディオルームリビングで 暖炉の暖かな炎をながめながら Fさんの大好きなジャズの音を楽しもう という約束になっていたのだが いよいよその御招待を受けたのだ
火の神様の存在を信じているわけでもないが 怒ればとんでもなく恐ろしい 火 もいつもは 体も心も暖かく包んでくれ しかも 夜は その赤い炎の存在で 人を 寛容で 静かな気持ちに さらには 感傷的な気持ちにさえさせてくれるのだ
火も 人を見て その力を示そうという意思があるようにも思えてくる
火を大切にしなければいけない
新しい暖炉に初めて火を入れる時は 暖炉に これからよろしくお願いします という改まった気持ちで 建築主に火を入れてもらうことにしている
己れの事務所の習慣である
これまでに50基を越える暖炉を設計しつくっているが それでも焚きつけに火が入り 煙が室内に逆流することもなく薪がきちんと燃え始めるのを確認するまでは 暖炉を設計した建築家としての己れには 不安がよぎる
30年前の己れの小さなヨットの進水式を想い出す
小さいくせに1人前に レールを海に滑り降り 船体に色分けされた喫水線ピッタリに浮かんだ小さな己れのヨットを見て 胸をなでおろしたのだった
己れのヨットの船体を設計したヨットの設計家Kさんも 今夜の己れと同じ気持ちを味わっていたのだろう
暖炉の炎に照らされている Fさん夫婦の安心された そして 幸福そうな笑顔を見て 己れも 暖かそうな炎を見ながら 素直に嬉しかった
暖炉に関する建築家木村俊介のブログを御覧ください
その1 暖炉の中で燃える男と女? ヨットとの関連は?
その3 住宅の暖炉設計とヨットの設計に不可欠なものの共通点とは?
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